SAS

SAS base programmerなんて取得しなくていいよ

注:本資格は2020年に廃止となりました。(2021/08/15追記)

タイトルの通りです。

勉強熱心なのは良いことですが、この資格めちゃくちゃコスパ悪いので他の勉強したほうがいいです。

SAS base programmerとは

SAS社公認のSAS言語に関する資格で、Base programmerは一番基礎的なプログラミングスキルを証明する資格です。全国のテストセンターでパソコンを使って試験します。結果はその場でわかる仕組みです。

基礎とは言っていますが、勉強しないとめちゃくちゃ苦戦します。業務で使っている人でも勉強せずに一発合格はまず無理です。業務で使わないようなマイナーな設定があちこち出てくるもん。

逆にclinical trialsという上位資格があるのですが、こちらのほうが業務やってる人であれば簡単だと思います。

出題範囲は以下の通り。データステップやオプションの問題が多いです。

  • ローデータ・ファイルのインポートやエクスポート
  • データの加工や変換
  • SASデータセットの結合
  • SASプロシジャを使用した基本的な詳細や要約レポートの作成
  • データ、構文、プログラミング・ロジックのエラーの特定と修正

転職に有利にならない

他のベンダー系資格と異なりSASの資格とっていても転職では有利になりません。上位資格を取っても同様だと思います。SAS資格保有者を優遇するといった求人を見たことありません。なので転職目的で取得されるのはやめましょう。

またこの資格の受験料はかなり高く、一回22000円です。これで転職に有利にならないなんて・・・

まあ私は自費で取得したんですがね・・・

昇進に有利かといわれるとそうでもないですね。私の会社でも取得支援がありますが、取得している人は少ないし。有資格者が優遇されているかいわれるとそうでもないですね。

転職を有利にしたいのであればTOEICとか機械学習関係の勉強のほうがまだましなのではないでしょうか。そもそもSASのシェアはどんどん低下しています。

2021/08/07 追記

意外と見ている人がいるようなので追記

このブログを見ている方はお分かりだと思いますが、私はSASの学習は可能な限り最小限にするべきだと考えています。その理由は

  • SAS言語の設計思想は拡張性を犠牲にしており、いくら学習時間を増やしてもできることは限られる(SASにできないことは他言語でやるしかない)
  • SAS言語は習得が容易なほうであり、SASができること自体は大して希少性がない、転職時は応募資格を満たせるくらいのメリットしかなく、直接有利に働く機会は限定的。
  • SASよりも統計学や英語、Cdiscといった優先して習得すべきものが他にある。

です。
Clinical trialや Regression and ModelingといったSAS base programmerの上位資格は直接業務に直結する内容なので評価はされると思いますが、それよりも基礎統計学とか英語とかSASに依存しないスキルを習得するほうが汎用性が高いし、優先すべきだと考えます。今後もSASで解析するかどうかはわからないですよ。

あとBase programmerはかなりマニアックな内容が多く業務上知らなくても支障がないものもそこそこあります。SASオタクを目指したいのならありかもしれませんがね・・・
新資格になったため改善しました。

2021/08/15更新

旧来の試験が一新されて新たにbase programming specialistという資格ができました。こちらは実際にSASプログラムを実行して回答する形式のようで、より実践的な試験となるようです。
そうなるとマニアックな内容だからあまり挑戦する意味がないという欠点が改善されたので、挑戦する価値が出てきそうですね。

異業種未経験でSASを使った解析業務の仕事に転職するときであればこの資格を取ることは意味はありそうです。過去の試験よりも実務的なスキルが評価されるのでよりスキルをアピールできそうです。

それに対し現職でSASを使っている人の場合は、転職・昇進を有利にする目的でこの資格の取得することはやはりコスパ悪いんじゃないかな。無駄ではないでしょうけど実務スキルの証明だったら就業年数と業務実績のほうが重要なので

なお旧資格の保有者は9000円と少しお安く受験できるようです。

試験で使用するSASインターフェースはSAS Display Manager、 SAS Enterprise Guide、 SAS Studioらしいので従来のSASしか使ってない人は、SAS ondemandでSAS studioを触っておいたほうがいいかも

勉強方法

教材がほとんどないので、事実上独学で何とかするしかありません。数少ない教材は以下の通り

ブログ

SASブログで練習問題があります。ですが実際の試験と比較するとこれでは足りないです。

公式問題集

SAS社はサンプル問題を公開しています。こちらを見るのも手かと思います。

また公式オンライン模擬問題集を発行しています。180日間アクセス可能で7000円です。ちと高い。
本番は模擬問題とは全然違う問題でまくりますから、これをやりこんだら合格できるかといわれると微妙なところ

公式ガイドブック

SAS公式のガイドブックを見るのも手ですが、量が多いし英語だし値段も高いのでお勧めしません。試験対策に特化していないのも痛い。
PDF版だと少し安く買えます。

非公式問題集

ヤフオクで非公式の問題集がPDFで売られています。値段は確か3000円前後だったかな。非公式なのでリンクは張りません。
ヤフオクで「SAS 問題集」と検索すれば出てきます。

私は上記2つをすべて試しましたが、この非公式問題集が一番良かったです。本番とかなり近い形式の問題がたくさん掲載されています。
これ1つで十分なくらい。ただし全部英語なので読むのは少し大変。

まとめ

SAS資格は転職や給料面で見るとコスパ悪すぎなのでお勧めしませんが、もし取得されるのであれば非公式問題集を反復して勉強すれば行けると思います。
SAS公式の問題集や教材は高すぎなので試験対策だけであれば買わないほうが良いです。

SASはもう少し学習環境をリーズナブルにしてほしいもんです。