SAS

SASのクソな部分をぶった切る!(2) SASユーザー総会

前回に引き続き、SASのクソな部分をご紹介。(あくまで私の主観です)

href=”https://picolabs.jp/SAS-disadvantage-1

自分でもかなり性格ひん曲がっていると思うのですが、それでも書きます。これがブログのいいところ。

SASユーザーが集まって利用事例を発表するSASユーザー総会というものが毎年開催されるのですが、私は渋々参加してます。
正直わざわざ時間を割いてまで行くメリットを感じられません。

SASユーザー総会とは

SAS社が主催する学会のようなもので、SASユーザーが利用事例をプレゼンしたりポスター発表します。有名な先生の講演などもやってます。(これだけは聞きたいとは思う)。

で発表内容なのですが、ほぼ臨床開発に関連する話しか出てきません。SASの製品は別業界でも使われていますが、ユーザー総会ではほぼ見かけないです。事実上の臨床統計担当者の集まりといっていいでしょう。
またSAS社が企画していますから、基本的にはSASを使った解析手法の紹介が多いです。最近は機械学習ブームのおかげかpythonとSASを組み合わせた事例も目にします。

あとはCdiscの話とかPKに関する話とか。

クソポイント

では私が考えるクソポイントを発表します。知的好奇心を満たすという意味ではユーザー総会は良い機会だとは思いますが、営利企業に属する技術者目線で考えるとこれはちょっと・・・と思った点を列挙していきます。

発表者の実績になりにくい

これが最大のクソポイント。
会社によってはユーザー総会での発表を奨励しているところもあるかもしれませんが、ユーザー総会での発表が社内で評価され査定が上がることはほぼないと思います。創薬研究者だと学会発表や論文投稿はそれなりには評価されますし、転職時でも実績として載せることができるのですが・・・

会社としては社員のモチベーション維持と会社の宣伝にはなりますから止める理由はないですが、直接利益にはつながらないので査定をあげる動機もないです。すくなくとも給料面ではユーザー総会で発表する動機ってあまりないと思います。

また転職にも大した効果はないでしょう。転職時に問われるのは業務経験であり、直接解析業務に関係しない発表実績なんて重視しないでしょう。私もSASユーザーなのでスマートな使い方を見つけたら発表したくなるのはすごくわかるのですが、多くの人はリターンがないとやっていけないので自身のスキルを高く売りたいと考えるのならユーザー総会の手間を別のことに向けたほうが建設的な気がします。

ていうかSASが一方的に得をするんですよね・・・ユーザーが発表を通じてSAS製品の新たな価値を勝手に提案し、自動的にSASの企業価値を高めてくれているんですから笑いが止まらないのでは?

それはSAS社がやることじゃないの?

2019年のユーザー総会で最近追加されたCAUSALMED プロシジャの利用方法と利用事例が発表されていたのですが、自社製品の新しい機能の紹介とか提案って開発会社が客に対してするもんじゃないんですかね?
しかもこれ利用しているデータは米国SAS社が公開しているテストデータで、実質米国SAS社のドキュメントを和訳して説明文を追加しているだけっぽいんですよね。なおさらSASの日本法人がやるべきことなのでは・・・
SASに依頼されて発表したのでしょうか?製品の利用者がその製品の機能紹介するって他業界の方が見たらあり得ない気がするのですが・・・

これも発表者個人の実績につながらない点にもつながってきます。発表内容はSASが提示した使用方法に沿って実施した結果をのせるしかないので、そこまで新規性があるわけではありません。オープンソースの言語とは違い、SASの中身はユーザーからすればブラックボックスなのでSASそのものの改良には一切貢献できません。

参加費がかかるけど発表資料はタダで入手可能

普通にお金取られます。企業の人は会社が出してくれるので別にいいのですが・・・でも発表プレゼン資料はネットから無料でダウンロードできるのです。それだったらわざわざ会場に行かずに資料だけ目を通すだけにしたほうが時間とお金が節約できて一石二鳥なのではないでしょうか?あと論文集買う人いるの?

まとめ

SASユーザーがSASに関する情報発信するメリットってほとんどありません。

私も含めSASに関する情報をブログで発信している人はちらほらいますが、多くは更新頻度が止まりがちですし、SASのキーワードでの検索ボリュームが大したことないので収益化も困難です。
そのうちブログやめると思う。

じゃリアルでの発表の場だったらどうかというと、得をするのはSAS社ばかりで発表者の経歴にプラスになることはほとんどありません。営利企業的にメリットがあるとすれば、商談のきっかけになるとか採用活動が有利になるとかくらいでしょうか。別にユーザー総会である理由もないけど。

SAS社はもうちょっとユーザー総会に参加するメリットを提示しないとそのうちだれも参加しなくなると思う。幅広い分野の発表をお待ちしていますって、わざわざ手間と金かけるのなら所属学会で発表するに決まってんじゃん。

情報収集?そんなものネットに頼れば十分です。

ユーザー総会の発表内容って別に業務に使わなさそうなのもかなり混じってます。pythonを動かすとかハッシュオブジェクトとか、業務で使うのでしょうか?
そういう試みは本来この業界の発展に貢献できるので素晴らしいと思いますが、SAS社にすべてを支配されている状況ではSASだけがおいしい汁を吸うことになるだけだと思います。

私自身は発表ネタはあるけど絶対発表しない。