SASのくそな部分をぶった切る!

SASのクソな部分をぶった切る!(最終章)SAS社がSASユーザー総会から手を引いた件について (2/2)

およそ三年間も続いたくそな部分をぶった切るシリーズですが、本記事でついに最終回となります。

今回は今回のSASユーザー総会に起こった件に関する所感と、シリーズ終了の後語りをしていきます。

前回はこちら

SASのクソな部分をぶった切る!(最終章)SAS社がSASユーザー総会から手を引いた件について (1/2)これまでSASの良くないところを検証してきたくそな部分をぶった切るシリーズですが、今回で最終回となります。 いままでSASユーザー...

今回の件に関する感想

SASユーザー総会を開催する意義をもう一度考えよう

SASユーザー総会は世話人会が主催しているとはいえ、実態としてはSAS社が主催の自社プロダクトに関するイベントなわけです。主催者というよりは出資者といったほうが正しいでしょうか。

今回の件は出資者が出資する意義を見出いせなくったということなので、本来であればイベントはそれで終わりです。

参加者が続けたいといっても出資者の意向なのですからどうしようもありません。そもそも去年の段階でSASユーザー総会世話人会はいったん解散しているので、およそ40年続いたSASユーザー総会は体制としてはその歴史に幕を下ろしたといっても良いでしょう。ですがどうしても続けたい人たちで集まって新生SASユーザー総会世話人会を発足し、今回のSASユーザー総会の開催に至っています。

ただし変わったのはコスト削減と開催費用の工面の対策だけでコンテンツ自体は変わっていません。SAS社が出資を打ち切ったのはSASユーザー総会のコンテンツの問題だと思うので、コンテンツを改善しない限り協賛企業を募集するのは今後苦戦すると思います。

そもそも自社プロダクトの広報という意味では一番の受益者であったSAS社ですら出資の意義を見出せなくなったのに、協賛企業がSAS社の肩代わりなんてするわけないでしょう。他社プロダクトの宣伝を金払ってするわけないじゃないですか。自社従業員の教育の一環だとか情報収集の場だとしてもSAS言語自体最近は大した拡張は実施されていないわけですから、毎年SASのトレンドを知るためにユーザー総会に参加することは参加者にプラスになりえるのでしょうか?

私は昔に比べれば情報収集の場としてのSASユーザー総会の地位は揺らいでいると思います。というよりは新規トピックががないんですよ。viyaの使用例だったら新規と言えそうですが、使っている人がすごく少ないし。

教育にしたって、SASは古い言語ですから各社研修資料は豊富でしょう。わざわざ出張させて工数を消費してまで新規トピックががないSASを学びに行かせることは費用対効果が薄いと言わざるを得ません。

参加者のメリットが乏しいと営業活動の場としてのメリットも怪しくなってきます。わざわざ出張していかなくても支障がないのなら参加者は今後伸び悩む可能性が高く、そこに営業コストをかける意義が見出せません。今回は呼びかけか組織的動員?を駆使して活気を取り戻しましたが、今回だけのボーナスな気がします。「今のコンテンツは参加者がわざわざ出向いてまで参加するに値するメリットがあるか」をもう一度考えないと滅びを先延ばしにしているだけで解決にはならないでしょう。

個人的には今のSASユーザー総会は「ユーザー総会を開催すること」自体が目的になっている気がします。別にそれならそれでいいですけど、SAS以外の企業に負担を募るのはやめてもらいたいです。TokyoRと同じように参加したい人がカンパして、カンパの範囲内で開催するのが筋なのではないでしょうか。

参加費が安すぎる

2日開催の学会形式イベントで1000円はいくら何でも安すぎます。普通の学会ではありえないでしょう。
日科技連のセミナーだってこんなに安いものはありません。

多分価格が高いと参加者が集まらないと思ってこの金額にしたのでしょうけど、どうせ所属団体の経費の人が多いでしょうから問題ないのでは?

だいたいSASが手を引いたのに続けているのですから、開催費用は参加者が負担するのは当然でしょう。

SASユーザー総会を続けてほしいけど金は出さないというのは虫が良すぎます。懇親会で企業負担のただ飯食っているのはどうなんですかね?

PharmaSUGに移籍する

SASユーザー総会からpharmaSUGに活動の拠点を移すというのも一つの選択肢だと思います。正直SASだけで対面のイベントを開催するのは今後は難しいですよ。
やれるとしてもオフ会形式が限界だと思います。それに現時点でもSASユーザー総会は実質製薬系のイベントになってしまっているので、それだったら業界の非営利団体で
活動したほうが良いのではないでしょうか?

SASユーザー総会はSASの縛りがあったのでDB調査のようなSASとは親和性がいまいちな分野だと発表しずらかったですが、pharmaSUGならそのような縛りがないのも良いです。
非営利なので特定の団体が利益を上げるということもありませんし。

後語り

最後に3年続いた「SASのくそな部分をぶった切る!」シリーズの後語りで締めさせていただきます。

SAS狂信者にコメントもらったりとめんどーなこともありましたが、こんなに長く続いたのは本当に驚きです。さんざんSASはくそだといっていながら本当はSASは好きだったのかな。
SASのパッケージ作ってるくらいだからね。。そこはもう否定できません。

ただSASの良くない部分を改めて整理したおかげで、良くない部分を検証してみたり、他言語で補う工夫をし続けられたので
むしろSASのスキルは向上したと思います。今はSASの使用頻度が激減していますけど実業務ではなんだかんだでプラスになってました。

やっぱり一つの言語だけを愛でているだけだと技術者として向上しませんよ。もっと言えば目的を達成するのにプログラムを書く必要があるのかも検討できた方がいいです。

最近はノーコードでもありがちな集計ならできてしまう時代です。さらに機械学習のような高度なものでさえプログラミング言語の知識がなくても実装ができるようになってきています。
我々の目的はデータから新たな知見を得ることですが、その手段はSASだけではありません。目的を達成するのにどのような方法があるのかを考えることの重要性は忘れないようにしたいですね。

そう考えるとSASブログはもう時代のニーズについていけてないですよ。まあ本シリーズを終了させる理由がまさにそれなんですけどね。別の言語も勉強したいですしSASにリソースはもうかけられません。

グラフパッケージ「SAS plotter」はしばらくはアップデートし続けたいと考えてます。それが終わったら多分SASとはお別れかな。やるとしたらあとはグラフ以外のネタくらいですかね。

3年間見てくださった方々ありがとうございました。