SAS

SASを勉強するのはもうやめよう

SASやGTLの記事を書いているのになんていうこというんだ!と言われそうですが、私は本気でSASを学ぶべき言語ではないと思っています。

SASの記事を書いているのは実務ですぐに使える(コピペして使える)ものばかりを載せていているのは、SASにかける文献調査や勉強時間を最小限にして
別言語への移行する時間を確保するためです。データハンドリングやマイナーな設定などは対象外です。

SASのすばらしさ?なんてものを伝えたいからではありません。

ただでSAS社の宣伝なんてお断りですよ。これでもこのブログでちょっぴりお小遣いがもらえている分まだましです。

今回は私の主張を裏付ける情報が来たのでブログにて共有します。

ランキング圏外

プログラム言語は数多くありますが、その中でどの言語が最も学ぶべきかみなさん気になるかと思います。すでにいくつかの海外の記事で検証されているので確認してみましょう。

googleで「best programming language」と検索するといくつかヒットします。

まあ当たり前ですが、お勧めできる言語は大体どの記事も同じです。

Python

JAVA

Objective-C

Go

Javascript

Kotlin

Swift

SQL

上記の有名言語あたりは誰もがお勧めする言語のようです。もちろん各言語で得意不得意ありますので、開発したいものに応じて必要な言語を選択すればよいのですが、

SASはどのサイトも一切触れられていません。ランキング圏外です。

確かにSASはソフトウェアやwebアプリケーションの開発はできないので、このような言語とは比較しても意味ないと思われるかもしれません。

需要が急増するR

しかしSASと同様の統計解析で用いられるRはお勧めする言語としてランクインしているサイトはいくつかあります。

以前はRはSASよりも信頼性が低いと思われていたこともありましたが、もはやそれは過去の話です。なんせRにはできてSASには実装されていない機能はいくつもありますし、
これだけ実績を積み重ねればSASに劣らない信頼性があるといっても差し支えないと思います。もちろん使用パッケージはよく吟味したほうが良いかもしれませんが。

グラフィックなんて明らかにSASよりも多機能です。

さらに以下の記事ではRのおすすめする理由が紹介されています。

記事によるとRのTOIBE INDEXが1年にも満たない期間で16位から9位に急激に上昇したそうです。

Facebook, Google, Uberなどのテクノロジー会社では業務でRを使用しており、データサイエンスおよび機械学習の需要が急増していると考えられます。そのため将来のキャリアアップのためにRを学習することは十分有意義だと述べています。

しかもアメリカだとRの技術者は結構良い年収だそうで・・・泣けてきますよね・・・

以下のサイトでもRのJob oppotunityがhugeとなっています。有名企業の解析部門に転職を目指している場合はRを習得すると有利になりかもしれません。

Rは膨大なライブラリとフレームワークがありHadoopやSparkといったデータ処理システムと統合することも容易です。

SASを使う必要ある?

多くのデータサイエンス、統計解析担当者にとって興味のある言語はpythonやRであり、SASは全く関心を持たれていません。

Rよりも低機能で多額のライセンス料を請求されるのですから当然です。SAS viyaでもhadoopと統合はできますが、Rでも実現可能なシステムを多額の金払って導入する人いますかね?
いたとしても既存のSASの顧客くらいではないでしょうか。

拡張性のなさ

じゃSASもトレンドに会わせて機能追加すればいいじゃんと思われるかもしれませんが、SAS言語を大幅に機能拡張することはまず無理です。

PDVとデータステップをやめて一から設計するのであれば可能かもしれませんが、それやるくらいなら最初からRかpythonを使ったほうが楽ちんです。

SASのアップデートはRやPythonと比較して明らかに遅いです。所詮最近のSASのアップデートは些細なものばかりで技術革新的なものは何一つありません。ユーザーはこれまで単に既存の資産を有効活用できるからSASを使っているにすぎません。

だいたいこれまでSASがアップデートされて大幅な解析結果の品質向上や工数削減に貢献できたことありますか?

ハッシュだとかDS2とかfcmpとかproc luaとか、確かにコードの可読性が向上したり処理速度が多少早くなったとかはあるでしょうけど、
SASのライセンス価格とそれらの学習コスト(特に従業員全員に習得させないといけない場合など)を天秤にかけてみても導入する価値ありましたか?

ほとんどの場合ないと思います。

今後もSASで業務ができるかは不透明

今の業務はSASだけで十分!と思っている人

甘いですよ。

SASをメインで使う業界はおそらく臨床開発と一部の金融業界でしょうが、SASの維持コストが高い以上、コスト削減のために見直す可能性はゼロではありません。

それに臨床開発でもデータベース調査や臨床研究といったSASでは難しいプロジェクトも存在しますからそういうプロジェクトだとSAS以外の言語は必須です。

臨床開発は製販後調査はデータを収集するコストが高く、レコードが少なかったのでSASでも問題なかったのですが、今後医療分野のIT化、自動化が加速すれば
扱うデータ数が増えることが考えられ、既存のSAS baseでは困難な事例も出てくるかもしれません。そうなるといよいよSASしか扱えない技術者はお荷物になりますね。

まとめ

SASは今後の技術革新についていけずユーザーの減少が止まらないでしょうし、将来増加すると思われるビックデータや機械学習関連の業務でのシェアは伸ばせないでしょう。
そのような言語に過大な学習時間とコストをかけるのは無駄です。

現在もSASを使用されていますし、マイナーな言語なので食い扶持がなくなる可能性はさすがにないでしょうけど、SASだけでは手取りは上がらないでしょう。

今のSAS技術者がやるべきことは、できるだけSASにかける時間を節約して、新しい解析環境へ移行するための準備することです。